2014.03.23

なまり節ラー油

なまり節

みなさんは「なまり節」をご存じだろうか?
漢字で書くと”生利節”、ひらがなで書くと”なまりぶし”。

Wikipedia先生から引用させてもらうと、
<生利節>生のカツオを解体し、蒸す、茹でるなどの処理を施した一次加工食品。
江戸時代以降に製造が盛んになる。生魚を直接加工するため、カツオやマグロの水揚げが多い漁港周辺で生産される。水分を40%程度含み、保存期間に制限があるため、長期保存が可能な鰹節よりも生産量は少なく、鉄道での輸送が始まるまでは生産地周辺の地域、鮮魚より少し広い程度の範囲にしか流通させることができなかった。鰹節のように完全には乾燥していないため、そのまま食材として利用できる。

なるほど!ちなみに「かつお節」と「なまり節」の違いは製造工程にあるそうで、煮熟、骨抜きした後に、1回焙乾したものを「なまり節」、2回以上焙乾したものを「かつお節」として区別しているようだ。
※焙乾(ばいかん)とは、かつおをせいろに並べて炉の上に積み上げ、クヌギなどの木を燃やして乾燥させる行程

私が小さい頃、たまに祖母が作ってくれる夕飯の一品に何度かなまり節が登場した。
食べ方と言えば、小さくほぐしたなまり節にきゅうりやワカメを混ぜ、マヨネーズやポン酢などと和えるだけ、今で言えばシーチキンのような使い方だったと思う。
ただシーチキンよりパサパサした食感のため、幼き私は正直好んで食べた記憶がなかった。

あれから20年以上の時が経ち、久しぶりに「なまり節」の名を聞いたのは地元の高校生の発信だった。

豊かな漁獲と岩手県室根山から吹く室根颪(むろねおろし)。こうした環境下で、気仙沼には戦前頃からなまり節を含む豊富なドライフード文化が根付いていたそうだ。
しかし冷蔵技術の発達により、消費者側も生産者側も”生で新鮮な食材”にばかり目を向けるようになり、いつの間にかなまり節も食卓にのぼる機会が少なくなっていく。
でも世界を見渡せば、ドライフードの価値は大きく評価されている。であれば、もう一度気仙沼のドライフードに注目しイノベーションを起こすことで未来を切り開くことができるのではないだろうか?地元の高校生たちはそう決意し立ち上がる。
高校生たちは食卓にのぼる機会が少なくなったなまり節を、調味料にすることで接する機会を増やせないかと考えた。そんな高校生らしい豊かで斬新なアイディアのもと、試行錯誤の末生まれたのが「なまり節ラー油」だった。

サポートするのは、地域の若者が地元の良さを再発見し、新たなアイディアを生み出しイノベーションを起こしていくことを目的に活動する、i.club(アイクラブ)という団体。
地元の良さを見直すことで若者離れを解決し、地元と共に生きるという新たな選択肢を得る社会を目指している。
◎i.club⇒http://innovationclub.jp/

この週末、気仙沼から高校生たちが上京して販売会とトークショーを行うというので行ってきた。
「なまり節ラー油」という商品を通じた地元への想いとこれからのかかわり方を自分の言葉で堂々と語る彼女たちの姿に、一気仙沼出身者として感動と誇らしさを覚える。

なまり節なまり節
なまり節なまり節

たくさんのメディアで取り上げられ、地元でもなかなか手に入らないなまり節ラー油。
秋葉原 日本百貨店食品館内「気仙沼波止場(けせんぬまわーふ)」にて発売してますので、ぜひみなさんお試しになってみてくださいね。
◎なまり節ラー油の詳細はこちらから⇒http://innovationclub.jp/namaribushi_rayu/