2013.06.12

気仙沼勝手に応援団 vol.6 ~KENTO’S~

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ストレイ・キャッツを毎日聴いていた高校時代、遊びに行った仙台でライブハウスケントスと出会う。生バンドを聴きながらお酒を飲み、踊り、笑いあう人々。音楽がもつパワーと世代をこえた一体感に一気にこの場所の虜になった。高校卒業と同時に上京、あてもないまま向かった先はケントス銀座。ボーイとして雇われた少年はいつしかケントスの顔となった。

サングラスにスーツ姿で登場したのは尾形光浩さん、気仙沼市南郷出身。強面だがメガネの奥の人情深い目は隠しきれない。苦労や努力は決して語らず背中で見せるタイプのザ・兄貴肌の男だった。震災からちょうど1ヶ月後、トラックいっぱいに積み込んだ荷物と一緒にふるさとへ帰り、その光景に愕然とした。それ以降東京から自分にできることを続けている。

ステージでは生バンドによるステージがはじまった。70’S~80’Sのオールディーズナンバーが次々と歌われる。圧巻だ!お酒を飲みながら音楽に聴き入る人、ステージ前で踊り狂う人、恋人と寄りそう人。時代が変わっても音楽は変わらない。ここではみんなが青春時代にタイムスリップするのだ。

ステージ途中、まじめな話はあまり語ろうとしない尾形さんにダメ元で「気仙沼は好きですか?」とたずねてみた。茶化されるだろうなと思ったが、タバコをふかして一息おいた後、「生まれだ町だぞ、嫌いなわげねえべど!」そう気仙沼弁で笑ってくれた。

照明が少し落とされWe are the worldが流れはじめた。観客が手を取り合い自然と大きな輪ができた。その光景をまっすぐな瞳で見つめる彼は、はじめてケントスと出会った時のままの純粋に音楽が大好きな少年だった。

施設概要